春のにっぽん、こんかいの「LIFE」は「お花見べんとう」です。
気軽な仲間との、たのしい「外ごはん」。
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まず、さくらの花の塩漬けを刻みます。
そのままだとしょっぱいので、水でもみ洗いし、何度か水をかえ、
「そのまま、おつけものとして食べられるくらい」まで
塩を抜いておいたものです。
‥‥何に使うか、わかりますか?
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新しょうがの漬物を刻みます。
もちろん手づくりでもいいんですけれど、
今回は「岩下の新生姜」を使いました。
これ、ぽりぽりそのまま食べてもおいしいですよね。
でも、そうじゃないんです。
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さらに、こまかくこまかく刻みます。
そう、このしょうがと、さくらの塩漬けは、
「おいなりさん」の具になるんです。
春めいて、さわやかなおいなりさんです。
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あわせ酢をつくります。準備したお米が3合なので、
お酢は大さじ4はい半だそうです。
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お砂糖。大さじ2はいです。
さらに、お塩を小さじ1ぱい、入れました。
「おかずにからあげがあるので、うす味にしあげますね」
これを、よくとかしておきましょう。
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酢めし用のごはん。
だし昆布を入れて、かために炊き上げています。
炊飯釜のへりを、ぐるっと一周、しゃもじを入れると、
ごはんを飯台にうつしやすくなります。
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ぽこん! ほらね。
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あわせ酢を、一気にまぜます。
いったんしゃもじで受け止めて、全体にひろげます。
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切るように、さっくり、大きく、混ぜます。
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刻んでおいたさくらの塩漬けと、生姜の漬物を入れましょう。
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さっくりと、混ぜます。
ほんのりさくら色。きれいです。
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飯台のへりについたごはんつぶは、
離れたままだと乾燥してしまうので、ごはんとくっつけておきます。
そうしたら、軽くあおいでおきましょう。
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ぬれぶきんをかぶせ、さましておきます。
ちゃんとさましてから、油揚げに入れないと、
中で、かたくなっちゃうんだそうです。
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できたての油揚げを買ってきました。ふかふかです。
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ちょうどまんなかで、ふたつになるように、切ります。
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ちょっと多めに準備します。
余ったらおそうざいに使えますから。
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あれ? 麺棒ですよ。飯島さん、どうするんでしょう。
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閉じたほうから、開いたほうへと、
ちょっと力を入れて、転がしはじめました。
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ぎゅっ、ぎゅっと、何往復かさせます。
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あ! 切り口が、開いてきました。
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「こうすると、きれいに開くんです」
これ、菜箸でもできるんですが、
こうしたほうが一気にすばやくできます。
麺棒やすりこぎが、いいそうですよ。
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下準備完了。これから油抜きですね。
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たっぷりのお湯をわかして、その中に入れます。
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浮いてきちゃうので、沈めながら、油を抜きます。
だいたい4、5分くらい。
「肩までつかりなさいね」って、そんなかんじです。
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冷水にとります。
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大胆に、じゃぶじゃぶと水洗い。
さらに油を抜くのです。
味をしみこませるための下準備です。
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ぎゅううううう、と押して、水を切って。
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さて、味付けの準備。水を1.5カップ。
あるいはだし汁でもよいそうです(お好みで)。
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お砂糖を、大さじ3。
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しょうゆも、大さじ3。
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みりんを、大さじ1。
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油揚げを、煮る前にもういちど、
手できゅっとおさえて、さらにしっかり水を抜きます。
絞ると切れちゃうので、てのひらで強くはさむ感じです。
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ちゃんとお砂糖が溶けたのを確認して、
油揚げをいれます。
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おとしぶたをして、中火でコトコト。
ゆっくりと、煮汁がなくなるまで煮詰めましょう。
30分くらいかな?
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鶏のもも肉。
こんかいは「大山(だいせん)鶏」という銘柄鶏を使います。
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切り分ける‥‥前に、飯島さん、なにか細かい作業にはいりました。
「よぶんな脂を、取り除いているんですよ」
なるほど、鶏肉の脂のかたまりって、
ちょっとしつこかったりしますものね。
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表に見える脂だけでなく、よぶんなすじ、血のかたまりも、はずします。
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とくべつにおいしい鶏のからあげをつくるには、
この「おそうじ」が、とても大事みたい。
でもやらなくてもOKですよ。
じゅうぶんおいしくできます。
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ほんとうに、この作業がていねいでした。
これがおいしさの、ひみつかも。
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カットしていきます。
切るときは、皮を下にします。
逆にすると、皮がはずれちゃいますので。
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ひと切れを、だいたい、このくらいの大きさに。
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ジップロックに入れます。
この中で、下味をつけるんです。
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調味料をあわせます。まず、日本酒大さじ1。
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小さじ3/4のお塩を、お酒に溶きます。
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鶏肉に、混ぜましょう。ここに‥‥
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すりおろしたしょうがを大さじ1/2加えます。
「ほんのり」香りをつけるだけなら絞り汁だけでもOK。
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すりおろしたにんにくを小さじ1/2加えます。
(パウダーでもいいですよ。)
手をすらないよう、気をつけて。
あ、デートの人は入れなくても‥‥?
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こんどは、黒こしょう。お好みで加減してください。
(ぴりっとスパイシーなのも、おいしいですよね。)
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ジップロックの口をとじて、もみこみます。
そして、ほかの作業をしているあいだ、
なじませておきましょう。
そういえば、油揚げは、どうなったかな?
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おとしぶたをあけてみると、
いいかんじに、煮含められています。
もうちょっとだけ火を通して‥‥。
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煮汁がほとんどなくなったら、火を止めておいておきましょう。
常温になるまで、さまします。
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さて、調理も後半戦。
味をなじませた鶏のもも肉を、ボウルにあけます。
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おしょうゆを、少々。
鶏肉には、塩・こしょうで下味がついているので、
おしょうゆはあとから入れて「ころも」の味つけにするのです。
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おしょうゆをさっとからめたら、てばやく‥‥
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全卵をといて入れます。
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手を使って、さっくりとまぜましょう。
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片栗粉を大さじ4、5はい入れます。
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衣が「ねっとり」まとわりつくくらいまで、粉を増やしても大丈夫。
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さあ、揚げる準備がととのいました。
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サラダ油をつかいます。まずは170℃で。
170℃というのは、衣をおとしてみて、
すぐに中くらいまでに上がってくる感じです。
菜箸を入れると、先端からこまかい泡が立ち上ります。
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皮をぱりっと揚げたいので、ひとつずつ、菜箸で皮を
身にくっつけるようにのばしておきます。
こうすると、しあがりの食感が、ぐっとよくなるんです。
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揚げます!
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揚がっております!
ぱちぱちと、いい音がしています。
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2~3分ほど揚げて、うっすらときつね色になってきたら‥‥
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小さいものから、いったん取り出しましょう。
でも、まだ、完成じゃないですよ。
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油を切っておきます。そして数分、このままにしてください。
追加のお肉を、あと2回、揚げるくらいのあいだは
このままで大丈夫。
そのあいだに、じっくり火が通っていくのです。
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そして、二度揚げします。
こんどは、180℃まで温度を上げてください。
180℃というのは、菜箸を入れると、
全体から勢いよく泡が出る感じです。
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2、3分揚げると、こんなふうに、色づいてきます。
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ほら、皮もぱりっと揚がりました!
ここも、小さめのものから上げましょう。
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鶏のからあげ、完成です!
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味をしみこませた油揚げに、
さくらの塩漬けと生姜の漬物をまぜた酢めしをつめて、
おいなりさんをつくります。
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お酢を水にといた「酢水」で手をぬらし、
酢めしを、ふわっと、かるく、まるめます。
ほんとに、かるくで大丈夫。
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だいたいこのくらい。ピンポン玉よりちょっと大きめ。
「おむすび」のはんぶんくらい、でしょうか。
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きゅっとつめて‥‥
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端をおさえます。
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かたちをととのえて、完成!
あまり力を入れないように。
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お重に、並べていきましょう。
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鶏のからあげは、バスケットに。
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うすじょっぱい、だし巻き卵も、いろどりに。
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こんな一品も。鯛の昆布〆をサラダ風に。
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たけのことアスパラを焼いたもの。
火を通してから、うすくちしょうゆとみりんで味をつけました。
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お重にならんだおいなりさん。かわいくて、おいしそう。
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さあ、お花見に、まいりましょうか。
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いかがでしたか、「お花見べんとう」。
こんなおべんとうをもって、
桜の下で、気のおけないともだちと、
のんびり、過ごすことにいたしましょう。
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