今回、飯島奈美さんにつくってもらうのは
「うんどうかいの、おべんとう」です。
見に行く時に持っていくおべんとう。
家族でワイワイ、とりわけて食べる、おっきな、おべんとうです!
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まずは、ウインナー。やっぱり赤いウインナーですよね。
タテ半分にしてから、両方のはしっこに、
3本、切れ目を入れます。
‥‥タコさん?
「いえ、これは、カニさんウインナーです」
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そしてこちらが、タコさん。
切れ目を入れた両端を、さらに2回包丁を入れます。
「ほんとは8本足にしたいんですが、
火を通すと切れてしまうので、6本にしますね」
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これを、炒めます。
カニでもタコでもなく、斜めに切れ目を入れたものも用意しました。
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サラダ油をうすくひいたフライパンで、中火で。
(ごま油でも、いいですよ)
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ときどき、動かしていくと、だんだん、はしっこが
「くるっ」としてきます。
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ほーら。タコさんとカニさんぽくなってきました。
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このくらいで、よいでしょう。火からあげます。
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できた! カニさんやタコさんのウインナー。
バットなどにとって、冷ましておきましょう。
おべんとうは、あつあつのうちに食卓に、
という焦りがなくって、いいですね。
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こんどは卵焼きの準備。
卵3コに、砂糖大さじ1、牛乳大さじ1、塩小さじ1/3を
よく溶いておきます。
飯島さん、いつもは砂糖と醤油で味付けするそうですが、
今回は「ふんわり」焼くために、牛乳を使いました。
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フライパンを強火にかけ、あたたまったら中火にして、
焼き油を落とします。
今回は「太白胡麻油」を使いました。
これ、おいしいですよね。
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まず半分の量を、流し入れます。
今回は「2回に分けて、3つ折りに」です。
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菜箸で、急いでかきまぜます。
焦げないように注意。
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このくらい固まったら、3つ折りに。
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畳んだ卵焼きを奥においたまま、
手前に、残り半分の溶き卵を流し入れます。
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同じように、かきまぜて。
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かたまってきたら、奥から、くるりと畳みます。
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この「卵焼き専用フライパン」って
なかなか買わないけど、あったら便利ですよねえ。
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はい、卵焼きの完成です!
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メインディッシュをつくります。
骨付きの手羽もとを使った、フライドチキン!
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お酒、塩、 すりおろしニンニク、すりおろしショウガを、
適量、まぜて、下味をつけたところに、
全卵1コを溶いたものをかけます。
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うん、よくからみました。あれ、なにか忘れてる。
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「コショウを忘れてました!」
ということで、あとから、かけました。
(みなさんは、先にまぶしてくださいね。)
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強力粉と薄力粉を、強力粉をちょっと多めの、ほぼ半々に。
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さっくりと混ぜます。
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そして、鶏肉をまぶして、別のお皿にとり、
ちょっとだけ(5分くらいかな)なじませておきます。
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サラダ油を170度に熱し、鶏肉を入れます。
入れると温度が下がるので、少し強めの火で。
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約6分間。以前のからあげは「二度あげ」しましたが
今回は、一度であげちゃいます。
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途中で、油からちょっと離しておくと、
より「からっ」とあがりますよ。
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ぜんぶで、約6分。
このくらいに色づいたら、OKです。
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続いてフライをあげます。これも170度。
ちなみに、このフライは、豚肉の薄切りに塩コショウをして、
チーズや、下ゆでしたニンジンやインゲンを巻いて、
小麦粉をつけてから溶き卵にくぐらせ、
パン粉をつけたものです。
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3分弱で、こんなかんじにあがります。
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海老フライ。しっぽを残して殻をむき、ワタをとり、
塩コショウして、小麦粉をふり、溶き卵にくぐらせて、
パン粉をつけて、あげます。
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この、あげる音って、きれいですよねー。
とってもしあわせな音がします。
ごちそうの音です。
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からっと、いい色になりました。
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油を切って、冷ましておきましょう。
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おむすびの準備もはじめましょう。お米を炊きます。鍋で炊きます。
といで、30分、水をすわせ、ザルに15分あげたお米を鍋に。
急いでいるときは、ぬるま湯に10分くらいでも大丈夫です。
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季節柄、新米です!
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新米は水気が多いので、水を「ちょっと、減らし加減」で。
ちなみに、1合(約160グラム)のお米に対し、
ふだんは180ccの水を使いますが、
そこを170ccにするくらいの加減です。
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蓋をして、中火よりちょっと強火で、沸騰するまで加熱します。
「沸騰する」っていうのは「ふきこぼれる」っていうのと同じですか?
と質問しましたら、「このくらいでいいですよ」と。
あれ、蓋、あけても大丈夫ですか?「一瞬なら、ぜんぜん大丈夫ですよー。
でも、火を弱めてからは、あけないでくださいね」
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沸騰したら弱火にして12分、最後に30秒、強火にしてから火をとめて、
そのあと10分蒸らします。そしてさっくり、まぜます。
うん、おいしそう!
でも熱いから、すぐ、にぎると、やけどしちゃいますよ。
あつあつだけどやけどしない程度まで冷ますあいだに、具を用意しましょう。
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シャケと、タラコを焼きましょう。
たらこはアルミホイルにのせるといいですよ。
網の熱で、うすい皮が、やぶけてしまうので。
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表面がまんべんなく焼けて。
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中が、レアの状態にしました。
でも、焼き加減は、お好みでどうぞ。
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種をとった梅干し(ちなみに、薄塩です)に、おかかをまぶして。
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おしょうゆを、ちょっとだけ落として。
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さっくりまぜれば「おかか梅」。おいしそう。
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焼きじゃけは、皮をはずして。
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骨をていねいにとって。
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ほぐしておきましょう。
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焼き海苔。おむすびの海苔は、ぱりっと派と、しんなり派がいますね。
今回は「しんなり」でまいりましょう。
築地で買ってきたちょっといい焼き海苔。
「うん、とってもいい香りです!」
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タテに三等分に折って(割って)おきます。
包丁やハサミをつかわなくてもぱりんと割れました。
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おにぎりの大きさを揃えるには、
同じお茶碗を使うのが便利です。
具も、あらかじめ、埋めておきます。
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にぎったときに、具が真ん中に来るように
(はじっこにくると、そこから崩れちゃったりするので)
お茶碗のなかで、こうしておきます。
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濡らした手に、あら塩をとって。
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すりすりと、馴染ませておきます。
おむすびのまわりを濃い塩分でつつむことで、
雑菌が繁殖しにくい環境をつくるんですって。
(だから、塩をごはん全体に混ぜちゃうのは、あまりよくないそうです。)
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そして、ごはんを載せて。
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やや強めに、2、3回、ぎゅっとにぎります。
熱くても、ここだけはガマンして。
最初のこの「ぎゅっ」が肝心ですよ。
ここでしっかり形をつくっちゃいます。
でも力を入れすぎて、中までぎっちぎちにならないように。
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あとはふんわり、そっと、形をととのえるだけ。
もう、力はほとんど入れません。
何度も強くにぎってしまうと、かたいおにぎりになっちゃいます。
まわりの米粒は、ほどよくくっついていて、
中がふんわり、空気が入っている状態が理想です。
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海苔でくるっと巻いたら、できあがり。
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かたちのそろったおむすび、中の具は、3種類。
具がわからないほうが、食べた時に楽しいので、
あえて、わからないようにしましたよ。
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フライドチキンもできた、フライもあがった、
ウインナはタコさんとカニさんだし、
おむすびも、できあがりました。
さあ、お弁当箱に詰めて、出かけましょう。
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副菜もいろいろ、添えましょう。
糠漬は、ぜひ入れたいですよね。
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タッパに詰めて。
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豚肉巻きフライは、斜めに半分に切ると、
中身もわかって、おいしそう。
これはチーズ巻き。
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茹でたニンジンとインゲンを巻いたほうは、
これまた、色味がきれい!
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サラダ菜をしいて、海老フライとともに、
タッパに入れました。
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これは、前もってつくっておいたマカロニサラダ。
ゆでたマカロニを、カレー粉をまぜたマヨネーズ、
軽く塩をしたキュウリ、粒コーン、油を切ってほぐしたツナと和えました。
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きんぴらも入れましょう。ゴボウとニンジンを、
ごま油で、酒、しょうゆ、みりんで炒め、ゴマをふっています。
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メインディッシュは、大きなタッパに。
「大皿」の感覚ですね。
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卵焼きに、フライドチキン。
あ、レモンも切って添えるといいですね。
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アルミホイルをしいて、ウインナーと、マカロニサラダ。
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デザートも、なくっちゃね。
「デラウェア」、なつかしい感じがしませんか?
ほかにも、オレンジやキウイやナシを用意しました。
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おむすびも、カゴにならべて。
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ふろしきにまとめて包みます。
さ、出かけましょう。
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秋の高い空のもと、木陰で、みんなで食べるおべんとう。
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フライドチキン、ウインナー、甘い卵焼き、
きんぴら、マカロニサラダ。
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おかか梅、焼きたらこ、焼きじゃけの
3つの具がかくれている、おむすび。
海苔がしんなりして、これがまた、いいんですよね。
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フルーツもたっぷり。
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好きなだけ、めしあがれ。
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いかがでしたか? 「うんどうかいのおべんとう」。
もちろん、運動会じゃなくっても、ちょっと出かけるときに、
こんなごはんを用意していったら、楽しいですよね。
ぜひ、つくってみてくださいね。
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